コロナ禍の行動制限の解除やインバウンド需要の回復などもあり、国内の経済活動が活発化しつつある。各企業の業績回復が見込まれる一方、コロナ禍における離職の影響が企業に重くのしかかりつつあるようだ。
東京商工リサーチが全国の企業を対象に行った人手不足についての調査によると、全体の66.5%が正社員不足と回答している。大企業に限定すると73.2%となる。業種別に見ると、道路旅客運送業の90.9%が正社員不足と回答、ついで道路貨物運送業の88.2%となっており、物流関係の人手不足感が明確になっている。反対に正社員の過剰感が強い業種は印刷・同関連業の26.1%が最多となった。紙媒体の長期的な需要の減少のほか、コロナ禍による催事の減少なども大きく影響したようだ。非正規社員については57.5%の企業で充足していると回答、非常に不足していると回答したのはわずか5.8%にとどまっている。やや不足とあわせても38.3%となる。
政府は労働移動の円滑化のために、自己都合退職での失業給付条件の見直しを検討している。過剰感のある業種から不足感の強い業種へ、充足している非正規雇用から正規雇用へと、需給に応じた労働移動が求められる時代になっているようだ。
■参考:東京商工リサーチ|企業の66%が「正社員不足」、大企業は7割超 「人手不足」 運送、飲食、サービスで深刻化|
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